ロックの後を追い、城の中に入っていくと、真っ赤な絨毯の上を歩くことになった。
ティナは色鮮やかな絨毯の上を通っていいのかと、すこし戸惑いの表情を見せた。
ここは・・・一体。 初めて来る場所のはずだ。
しかし、ティナはここにどこか懐かしいかんじを覚えた。
いや、懐かしいというより・・・・もっと複雑な・・・。


「・・・にしても、ほんと機械だらけだな・・・。まぁあいつが王様だから仕方ないのか・・。」
そう言うとロックは、へへっとティナに笑いかけた。
「・・・・どんな人なの?」
「会ってみればわかるさ。ほら、ここだ。」
大きく開かれた扉の中に足を踏み入れる。
どうやら王の間のようだ。

「おっ!!」
ティナは、はっと声の主を探した。


機械文明の旗手 砂漠の城フィガロを有し
帝国との同盟も結んでいる若き王・・・・・・
エドガー・ロニ・フィガロ


「久しぶりだな。王様♪」
ロックが固く握手を交わした相手は、ティナに気づくと、にこりと笑いかけてきた。
金髪の長身。青い綺麗な瞳。確かに王の貫禄というのであろうか。そんなオーラが出ていた。
ティナも頭を下げた。
「・・・すると・・・この娘が?」
「・・・・・あなたは?」
ティナは近寄ってきたエドガーに気押され、一歩後ろに下がった。
「おっと!初対面のレディに失礼だったね。私はフィガロ国王エドガーだ。」
ああ・・・・やっぱり王様なんだ。
俺が王様と知り合いだなんてビックリしたかい?まあゆっくり話しな。
俺はちょっと城内歩いてるからさ。じゃあまた後でな。」
う言って出ていこうとする、ロックの姿を見送るともう一度、エドガーの方に向き直った。

「こんに・・ちは。」
初対面の人と二人きりになるなんて・・・。
戸惑うティナを見つめる、エドガーはゆっくりと窓の方へと近づいた。
「君が・・・・?」
「え?」
「元、帝国兵士という娘か・・・。」
帝国兵士・・・・。
その響きになんだか、恐ろしさを感じた。


「大丈夫だ。私の国フィガロと、ガストラ帝国は同盟を結んでいる。だから、しばらくゆっくりしていくといい。」
「あの・・・どうして、私にこんなに良くしてくれるの・・・?魔導の力のせい・・・・?」
すると、エドガーは思い出したように、ティナに微笑んだ。
「まず・・・君の美しさが、心をとらえたからさ。第二に君のタイプが引っかかる。」
え?
それ・・・どういうこと?
白い歯を見せてにっこり口説き文句を浴びせるエドガー・・・。
しかし、当の本人ティナはさっぱりその意味を、理解していないようだった。

「・・・・私の口説きテクニックも錆ついたかな。」
「・・・・・・」

うな垂れるエドガーは王の間から去っていった。


他の女の人ならもっと違う感情が生まれるのね・・・・
でも、私は・・・・。


ちょっと寂しくも、不思議なこの感覚はティナの内から芽生え始めていた。 ・・・・・。


拳を握りしめ、ティナも前に進むことを決意した。










こんにちは♪
やぁっと王様登場ですね(苦笑)なんか今回はどこで区切ればいいか
わからず、短めです。
実は・・・・ずっと魔導士のことを魔道士と勘違いしていて、
お恥ずかしいです・・・。
ちょっと更新遅れました。次は・・・どうしよう・・・?