ミッドガルで宝条を倒し、北の大空洞での最後の戦いの為に
それぞれが何の為に戦うのか、その答えを見つけに行っているのだった。

だが、クラウドとティファは自分達は一人だからと、ハイウインドに 残っていたのだ。
二人は草原に降りていた。もう夜だというのに、二人は戻ってこない。


「ほっほぉ〜!!」
ここに見ている者が一人・・・。
ユフィはウータイに行き、自分が何の為に戦うのか考えてきた。
自分は大事な故郷(マテリア)の為に戦うことを悟ったのだ。
だから、一足はやく(一応、忍者だから)ハイウインドに帰ってきたのだった。

そして、今現在ハイウインドからクラウドとティファの、熱々ぶりを 見物していたのだ。

「うっわぁ・・・!あの二人そういう関係でしたかぁ・・・・・・・。」
とかいいつつも、ユフィはため息をついている。
「ハァ・・・・・・・。」
理由は二つある。

一つは自分には、あんなに大切にしてくれる人がいないのだ。
母はいないし、父はただのグータラだし・・・。そう思うと淋しくなるのだった。

そして、ユフィは本当のことをクラウドに伝えたかった。
だが、自分でも何を伝えたいのか、よくわからなかったのだ。



「まったく・・・。このアタシというものが・・・・・・何やってんだか・・・。」
ユフィはハイウインドの床をバシンと蹴った。
「きっと、アタシの所持金もっと上げてっ!ってこと、言いたかったんだよ・・・  多分・・・・。」
そう自分に言い聞かせていた。
「ガキは相手にされないってことだよね・・・。」
ユフィは自分にしか聞こえない小さな声で呟いた。
ユフィの涙がポトリと床に落ちる。暗闇の中で、ただ一人。
「くそっ・・・・何で?・・・・なんで泣いてるんだよぉっ・・・」


その時
「ガチャ」
戸が開く音がした。
「だ・・・・っだれ?」
「パチッ」
明かりがついた。
ユフィは慌てて目をこすった。自分のこんな姿は誰にも見せたくない。
明かりの下に立っていたのは、ヴインセントだった。

彼はニブルヘイムで自分は何の為に戦うのか考えてきた。
彼には、家族も、大切にする物も何もない。
ただ、自分が仲間達と星の運命を見届けたい。
それだけだった。


「ん・・・?ユフィなのか?」
ユフィは機械の陰に隠れている。
「こ・・・・こないでよぉ・・・」
ユフィは糸の様に細い声だった。途切れて、ちぎれてしまいそうな声。
彼女の心を表しているのだろうか。それとも、もっと・・・
ヴィンセントはユフィの腕をぐいっとひっぱり、目を合わせた。
「泣いているのか?」
ユフィはヴィンセントの手を振り切った。

ヴインセントは、草原にいるクラウドとティファを見つけた。
「・・・・・・・・。なるほどな。」
すると、ユフィが言った。
「ヴィンセントもびっくりでしょ〜!あの二人・・・すっごくお似合いだよね・・。」
「・・・・・・・・・・。」
ヴィンセントは何も答えない。
「ヴィンセントは何の為に戦うのか、わかっ・・・・」
ユフィが言い終わらないうりに、ヴィンセントはユフィを抱き寄せた。
「ヴィ・・・ヴィンセント?」
ユフィは一瞬、何が起こったのかわからなかった。頭が真っ白になり、パンクしそうだ。
「相手に、思いのままの言葉をぶつけなければ、いつかそれが・・・心の罪になってしまう。」
「・・・心の罪?」
ユフィにはヴィンセントの言っていることが、理解できなかった。
「・・・・・・私では、あいつの変わりにはなれないか?」
緊張が走る。

「あっいや・・・・別にそういうわけじゃ・・・・」
ユフィは真っ赤にして、ヴィンセントから離れた。

しばらく二人は、無言で床に座っていた。

「ユフィ・・・・。私の罪は消えないが、戦いが終わってもし・・・」
「ん?」
ヴィンセントは思いを振り切るように、首をふった。
「いや、なんでもないんだ。」

「ふぅん・・・・。そういうことだね!」

「何がだ?」
ユフィは笑うだけだった。
「へへっ!・・・・ヴィンセントにもそういう所あるんだね。」
「・・・・」

「寝よっか!!」
ヴィンセントは立ち上がり、寝室に行こうとした。だが、ユフィはヴィンセントの マントをつかんで、引き止める。
「ちがうよ。ここで!」
「・・・・・。」
ヴィンセントは明かりを消し、静かにユフィのとなりに座った。
「ありがと。」
ユフィは小さな声でささやいた。
ヴィンセントは自分のマントでユフィを包み、二人は眠りについたのだった。




明日は来る。希望をのせて。そう信じて最終決戦に向かう、二人であった。
君のとなりで。
あ〜・・・。もうちょっとユフィを積極的にすれば良かったなぁ・・
全国のヴィンセントファンの皆様、お許しください。
こんなにも、情熱的になるとは・・・(汗