ツェンの町で再会したセリスとマッシュは、世界が崩壊した後も存在しているという
フィガロを目指していた。



魔大陸の戦いで世界が変わってしまった。
シドを失ったセリスの悲しみは大きく、マッシュは心配していた。
話すときも、セリスの目は魂の抜けたガラス玉の様だった。
前の彼女とは違いすぎる。
あの威勢も・・・笑顔も・・・。


辺りが薄闇に染まり、マッシュはセリスに声をかけた。
「セリス?そろそろ休もうか?」
セリスはどこか一点を見つめながら答えた。
「・・・ええ・・・私も疲れたわ。」
マッシュは森の小さな洞窟の中にセリスを連れて行った。
袋から、焚き木を出しマッチで火をつける。


パチパチと音をたて、小さな火はだんだんと大きくなっていく。
セリスはうつむいて何もしゃべらない。
外は雨が降ってきている。

「セリス大丈夫?・・・」
マッシュは彼女の顔を覗き込むようにして言った。
「何か俺にもできることがあったら・・・手伝うよ」
静けさが、辺りを包みこむ。

するとセリスは顔をあげ、小さな羽音の様な声で言った。
「・・・私ね・・・時々夢を見るの・・・」
マッシュは小さく微笑んだ。
「・・・どんな?・・・」
「・・・ベクタにいた頃の自分・・・泣いていた私を助けてくれた・・・
 シド・・お母さんもお父さんもいない・・だけどシドは・・・」
セリスの顔に、透き通った美しい涙が流れた。まるで水晶のような涙。
「・・・・・寂しいの・・・とっても・・・」
マッシュはそっとセリスの細い黄金の髪をなでた。なめらかでやわらかい髪を。
「・・・え?」
セリスは不思議そうにマッシュを見た。
マッシュは優しく、セリスの肩を抱いた。
「大丈夫・・・俺が一緒にいるって!」
セリスは少し、戸惑ったようにクスッと笑った。再会後初めての笑顔だった。
「エドガーに似てきたね・・」
「え!?」
彼も笑顔で答えた。
「ありがと・・・マッシュ・・・」
マッシュは耳元でささやいた。小さな本当に聞こえないくらいの声で・・・
「・・・・・好き・・・だよ・・・・」
「・・・・うん・・・・」
マッシュもセリスも頬が真っ赤になっていた。

セリスは本当のことを話そうとした。

貴方が・・・マッシュのことが好きだということを・・・

しかし、今の二人には言葉なんていらない・・・。
以心伝心。

二人の幸福を願うように夜空にひとつ星が流れた。



                         END





うわぁ。。。駄文だわ・・・。マッシュもこんな情熱的だったかな?
ヴィンに続いてマッシュまでも・・・。本当はもっといろんなコト書きたかった・・・。
自分で書いた小説に自分で照れてる。。。